20年以上にわたりスタジオエンジニア用ケーブルを供給し続けているDHラボの製品の中でも、デジタルケーブルの分野は最初期より格別に高い評判を得ていたといいます。デジタルケーブルがいわばDHラボの最も得意とする分野であることは、その真摯な取組み姿勢と、生み出されたケーブルの充実度によっても伺い知ることが出来ます。2014年にリリースされたこの「Mirage Ultimate USB Cable」についてもその例外ではなく、きわめて力の入った取組みと高い完成度の確認できる製品となっているのです。
一見すれば標準的なUSBケーブルと変わらないように見えるミラージュUSB。じつは2本の異なるケーブルが1本に束ねられた特殊な構造を持っています。つまりミラージュの中では電源ケーブル部とデジタル信号伝送ケーブル部が高度なシグナル分離技術(Signal Isolation Technology)により極めて厳密に隔離されているのです。これによりコンピュータのUSBインターフェイスにおいて、デジタル信号は電圧に起因するノイズから強力に防護されることになります。またシールディングも同様に徹底しており、結果的に未曾有の4重シールドという慎重な処理が施されました。電源ケーブル部にはUSBケーブルでは異例の大型導体を使用することによりインピーダンスを最小限に抑え、デジタル信号伝送用導体には極めて厳しい公差基準に従って研磨されたシルバーコートクリスタル銅導体を採用し、それら高純度導体内を流れる信号の誘電損失及び変質を強力に防ぐべく、驚異的スペックのDHラボ純正超低密度誘電体により厳重に包み込まれています。更に純金プレートの頑丈な純正プラグにより一本一本ターミネイトされて、このUltimate(究極)を名乗る「Mirage USB cable」は生み出されるのです。
さて、設計上の拘りについての説明が長くなってしまいましたが、それらは肝心の音質にどのような影響をもたらしたのでしょうか。その成果は決して小さいものでなく、ミラージュUSBは殆ど一聴してリスナーを喜ばせることの出来る顕著な成果を確認させます。
日頃コンピュータオーディオにおいて不満を感じる要素があるなら、そのひとつひとつをミラージュがどのように解決するかを、チェックしてみたいものです。音には柔らかさもあり、低音は分厚く響いて、程ほどに満足している、、、それでは、中低域の分解能はどうか?分厚い低域が膨らんでどんよりしていないか?高域方向の抜けが悪く、透明感が損なわれていないか?その結果エネルギーバランスが鈍重になっていないか?更に、定位、そして前後の奥行は整理され、本当に正確な再現になっているだろうか?
現実に既存のUSBケーブルからこのミラージュUSBに交換してみたとき、ミラージュがシステムの主要機器と協力して最大の成果へ導く、きわめて強力なパワーを発揮することが確認できるでしょう。ここにきてまた1本のケーブルの重要性を教えられることになります。優れたUSBケーブルに交換するだけで、実はシステムが思いのほか大きなポテンシャルを秘めていたことに驚かされるのです。
(「オーディオアクセサリー銘機賞2015・金賞」受賞、「Audiovideo REVOLUTION」Recommend)
■シグナル隔離先進テクノロジー、二重防護4重シールド、純銀コートクリスタル銅導体、超低抵抗電源用大型導体、自社開発超低誘電率誘電体、純金コートオリジナルプラグ( A-B )、USB 2.0 完全対応 ( 24bit /192 KHz sample rate)■ 1 m
(1.5m、2m、3m、4m、5mの特注可能です。お問い合わせ下さい)
<ご参考>
【使用機器】
USBは、もともと私のデジタル機器環境では主要な部分でなかったが、
最近少し変わった。
私は働いている間、古い録音のマスタリングのため、
そしてそれらの音楽を聴くため
デスクトップのシステムをセットしている。
私の使用する機器は、Mac Miniをはじめ、Audirvana playback software、
Audioengine A2+ powered speaker、各種のUSB DAC、iFI Nano、
Musical Fidelity のV-90、
そしてしばらくは使うことになるSOtM のHP-100などだ。
最近、私は試聴システムでSOtMのSHM-100ミニサーバーを見直した。
それは192Khz pcmとDSDを流れ出させる。
それがUSBデジタル出力に限られているため、私のUSB環境が変わったのだった。
【試聴】
音楽が、スピーカーの間に浮かび上がり、静かな世界から現れ出るかのようだ。
その違いはどんなに容易に確認できたことだろう。
真剣に耳を澄ますまでもなく、バーンインする必要もなかった。
改善は瞬時に確認された。
このケーブルは音楽の上にそれ自体の響きをまったく加えることなく、
音源からの情報の流れを滞りなくDACに伝送しているように感じられた。
確かにこれはあらゆるデジタルケーブルのしなければならないことだが、
諸要素が絡み、ことはそう簡単ではない。
理想的でない設計はいうに及ばず、
ジッターと他の問題を引き起こす恐れのあるインピーダンスの問題があるのだ。
次にEastern ElectricのMini Max Supreme DACにMirageを使ってみた。
MirageとMini Max supremeはSimaudio同様に、素晴らしい相乗効果を見せた。
96Khz、192KhzとDSDファイルはこのコンボで素晴らしい響きを聴かせ、
そして各々の解像とフォーマットは最高のかたちで表れた。
The Bandの「Northern Lights- Southern Cross」のリマスター盤が
優れた質感とありのままの素朴さで、かつてないほどの味わいを聴かせた。
Mirageは、一貫して優れた録音におけるもっとも素晴らしい長所を引き出した。
ケーブルメーカーは現在彼らのデジタルケーブルに関していろいろな主張をしていて、
それは特にUSBケーブルに当てはまる。
どのケーブルが最高の設計を持つかについて決定する最高の方法は、
とにかく聴くことだろう。
今まで優れた製品を設計してきたDH Labsのもう一つの素晴らしいケーブルが
Mirage USBだ。
自分の耳、音質比較、価格、そして構造、それらを用いて、
Mirageは間違いなくリファレンス級のUSBケーブルといえる。
Andre Marc氏評より抜粋 (「audiovideo REVOLUTION」)